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- 連載 法定後見制度の【改正】第2回 報酬・一元化・交代
2026/06/10
連載 法定後見制度の【改正】第2回 報酬・一元化・交代
報酬・一元化・交代の3つの視点
前回(第1回)は、『特定の法律行為への限定』『開始の「必要」を誰が判断するのか』『出口の鍵は裁判所が握る』という3つの視点を取り上げました。
第2回は、利用される方とそのご家族にとって関心の高い『報酬』、今改正の目玉である『補助への一元化』、そして『支援者の交代』という3つの論点を、詳しく確認していきます。
視点その ④『報酬は終わらない』こともある
今回の見直しでは、これまでの『一度始めたら原則として本人が亡くなるまで続く』という終身制が改められ、必要がなくなれば途中で終了できる方向が示されています。
明るいニュースです。
ただ、第1回でも触れたとおり、『終わってよし』と認めるのは家庭裁判所です。
そして、専門職への報酬の決め方そのものには、今回正面からの手当てがなされていません。
つまり、目的を果たしたあとも相応の財産が残っていれば、『なお管理の必要がある』と判断され、利用が続くこともあり得ます。
利用が続けば、その間の報酬も発生し続けます。
『いつ終われるか』を国(裁判所)が握っている以上、『いつまで報酬を払い続けるか』もまた、本人・家族の手の外にある・・・この点は、終身制廃止という見出しだけでは見えません。
視点その ⑤『補助への一元化』その全体像
改正案では、これまでの『後見・保佐・補助』の三類型を見直し、『補助』を中心に再構成して、必要な支援を個別に設計する方向が示されています。
ここで、正確に押さえておきたい点があります。
すべてが一律に ” 軽い補助 ” になるわけではありません。
判断能力が特に低下した(事理弁識能力を欠く常況にある)方については、一定の重要な行為についての取消権をもつ枠組み(いわゆる『 特定補助 』)が、別建てで用意される見込みです。
従来の後見に近い保護も、形を変えて残るということです。
そのうえで、一つの見方として申し上げます。
これまで『補助』は、原則として本人の同意がなければ始められない、いわば “入口の狭い” 仕組みでした。
その補助を制度の中心に据えるということは、見方を変えれば『より手前の判断能力の段階から、制度の対象として検討されやすくなる』ことを意味するとも読めます。
間口が広がることは、使いやすさであると同時に、巻き込まれやすさでもある・・・そう受け止めています。
一方で、本人主導を強める要素も加わります。
改正案では、ご本人があらかじめ『公正証書によって、自分について申立てができる人を指定しておく』新しい仕組みも設けられる方向です。
これは、外部に委ねるのではなく ” 自分で備える ” 道を広げるもの。
だからこそ、元気なうちにご自身で道筋を決めておく意味は、いっそう大きくなります。
視点その ⑥『支援者を交代させやすく』その判断も家族ではない
改正案では、『本人の利益のために特に必要があるとき』に支援者(補助人)を解任できる規定が新設される見込みです。
これまでは横領などの不正がない限り交代は難しいとされてきたので、利用者に寄り添う前進といえます。
ただし、この『交代』の矢印は、専門職から家族へだけでなく、家族から専門職へも向きます。
たとえご家族が補助人を務めていても、『本人の利益のために特に必要がある』と判断されれば、第三者の専門職へ差し替えられる余地が生まれます。
そして、その『特に必要かどうか』を決めるのは、ここでもやはり、本人でも家族でもなく『家庭裁判所』です。
『家族に託したはずの主導権が、ある日、第三者の手に移りうる』。
その可能性は、知っておいて頂きたいと思います。
第2回のまとめ
報酬の終わりは見えにくく、一元化は保護の重さを残しつつ間口を広げ、家族の権限も交代の対象になりうる。
こうして読み解くほどに、今回の改正は『家族のための全面的な自由化』というより、『国(裁判所)の関与を、より細やかに保つ仕組み』という性格も併せ持つことが見えてきます。
ここまでの2回は、あくまで『条文』の話でした。
次回(第3回)は視点を変えます。
どれだけ条文を読み解いても見えてこない、数字の表に決して現れない ” 現実 ” に迫ります。
ご自身の意思が元気な”今”のうちに、『任意後見』で支援者を自ら指名する。
あるいは金融機関の『代理人届け』等で、信頼できるご家族へ財産管理の主導権をお渡ししておく。
出島不動産相続相談所は、その『防衛策』をご一緒に考えます。
どうぞお気軽にご相談ください。


