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2021/03/25
平城宮跡を横切る近鉄線移設へ
スタッフ発信ブログです。
奈良県は25日、奈良市の平城宮跡を東西に横切る近鉄奈良線を宮跡の外に移設し、一部を地下化することで、近畿日本鉄道、奈良市と合意したと発表しました。
敷地や、その周辺にある8カ所の踏切で起きる交通渋滞解消が目的です。
2060年に工事完了!?
本日の発表では、工事の完了は2060年度の予定で、総事業費は2千億円程度になる見通しです。
近鉄奈良線は 1914(大正3)年に開通。
平城宮跡は 1998年に世界遺産に登録されました。
平城宮跡はその後、国営公園として整備されることが決まりましたが 『 線路が景観を損ねている。』 として、移設することが前提条件になりました。
2017~18年には周辺の8カ所の踏切が国から交通渋滞の要因となる「開かずの踏切」などに指定されたため、奈良県と奈良市、近鉄が具体的な協議を進めてきました。
車窓から朱雀門は見られなくなる
今後、復元された朱雀門などの歴史を感じられる景観が車窓から見られなくなります。
これについて、荒井正吾知事は記者会見にて
「これで踏切事故がなくなるので安堵している。平城宮跡は電車で通り過ぎるのではなく、現地で見てほしい」
と話しました。
京都への通過地点という位置づけをされることが多い奈良、電車から見えなくなると滞在時間も少しは延びることが期待できそうです。
奈良県は、平城宮跡の西側にある大和西大寺駅の高架化を実施致します。
現状は西大寺駅と近鉄奈良駅との間で平城宮跡を通りますが、この区間を敷地の南側に移し、一部を地下化。
奈良県は平城宮跡の最寄り駅設置を構想しています。
工事完了が2060年、先の長い話ですが、実現し嘗て都だった光景が見られる日を楽しみにしたいと思います。