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2021/05/22
1都3県の生産緑地、約8割が延長申請
大都市圏(3大都市圏)の「生産緑地」に対する税優遇措置を 10年間延長する国の特別制度について、首都圏 1都 3県で多くの生産緑地を抱える自治体では『2022年に優遇措置の期限が切れる面積の 8割近くの所有者が延長を申請していることが分かった』と日本経済新聞が報じました。
首都圏1都3県は全国に約1万2千ヘクタールある生産緑地のうち57%を占めています。
各都県の中で面積が多い5自治体、計20自治体に4月末時点の特定生産緑地指定への同意・申請状況を聞いたところ、2022年に優遇が切れる生産緑地のうち、同意・申請があったのは78%(面積ベース)でした。(未集計の4自治体は除いて算出。)
営農義務の30年が2022年に満了
平成4年に生産緑地の指定を受けると、30年間の営農義務が課せられる一方、固定資産税の算定では宅地より安い農地の評価になります。
そのほか、相続税の納付が猶予されます。
指定は平成4年に始まり、令和4年に初年度指定された人(農地)の期限が切れます。
生産緑地の多くは初年度の指定で、優遇が終われば宅地化や開発業者への売却などが増える可能性があり、【 2022年問題】と呼ばれています。
政府は平成30年に優遇措置や営農義務などを10年間延長する特定生産緑地制度を創設しました。
2015年(平成27年)に都市農業振興基本法を改正。
「宅地化すべきもの」から、都市に『あるべきもの』に大転換します。
2017年(平成29年)に生産緑地法を改正。
10年間の優遇期間延長します。
さらに、一区画500㎡以上が生産緑地指定の面積基準でしたが、一区画300以上に緩和しました。
生産緑地所有者らの同意・申請をもとに市区町村が特定生産緑地に指定する仕組みです。
生産緑地面積は12,525ヘクタール
全国の生産緑地面積 12,525 ヘクタールのうち、約8割を占める平成4年(1992年)指定の生産緑地が、令和4年(2022年)4月に指定後満30年を迎えます。
買取り申出が可能となるのに対し、買取り申出の期限を 10年間延長できる特定生産緑地制度を国は創設し、農地減少に躍起になっています。
2022年、宅地の大量供給では、地価下落では、と話題の生産緑地法期限満了は、買取り申出期限の10年間延長が功を奏し、地価もソフトランディングということになりそうな気配です。