NEWS

ニュース

ご予約・ご質問・お問い合わせ

06-6940-1155

06-6940-1155

  1. ブログ
  2. 浸水3mに耐える浮上住宅

2020/11/16

浸水3mに耐える浮上住宅

 

洪水で水位がみるみる上昇するなか、ゆっくりと浮かび上がる 2階建ての木造戸建て住宅。

 

水が引いた後は元の位置に着地する──。

 

これは、防災科学技術研究所(防災科研)と一条工務店が 2020年 10月 13日に報道公開した実大実験の 1コマです。

 

実験では、一条工務店が 20年 9月 1日に発売した「耐水害住宅」が、水深 3mの洪水に耐えられるか確認しました。

 

 

 

防災科学技術研究所の施設内で「耐水害住宅」の実証実験をする様子(写真:日経アーキテクチュア)

防災科学技術研究所の施設内で「耐水害住宅」の実証実験をする様子(写真:日経アーキテクチュア)

 

 

住宅が立つ大型水槽内の水位は 1分間に約3cm上がり、水深が約 1.4mに達すると住宅が浮き始めました。

 

その後、水深 3mになるまで注水を継続。

内部へ浸水することなく、耐水害住宅の四隅は地上から約 1.4~1.7m上昇。

 

水深 3mで住宅が浮上中、上の写真の下方側から住宅のリビングがある面に向かってポンプで流速約 3m/sの水流を発生させましたが、住宅が流されたり内部へ浸水したりすることはありませんでした。

 

 

 

 

機密性を高めた耐水害住宅2棟を浸水実験

一条工務店と防災科研は 19年から共同で、住宅の水害被害軽減プロジェクトを開始。

 

防災科研の施設内に、一般的な仕様の住宅と、気密性を高めるなどして水害対策を施した耐水害住宅の 2棟を建設し、実際に浸水させて、被害の検証を重ねてきました。

 

防災科研の酒井直樹主任研究員は「住宅の水害リスクが定量的に分かってきた」と、これまでの実験の成果を語る。

 

例えば成果の 1つとして、気密性の高い耐水害住宅は浸水深約 1.4mになると浮力が建物の重量を上回り、浮き始めることが分かりました。

 

一条工務店の開発責任者である萩原浩氏は、「浮力対策をしないと、被災時に住宅が流出して二次被害を引き起こす」と考え、防災科研と課題解決に取り組んだ。

 

 

 

水深3mでの浸水実験の様子。奥が一般仕様の住宅で、2階バルコニーの下まで水に漬かっている。右が耐水害住宅で、1階高さの半分が水に漬かった状態で浮いている(写真:一条工務店)

水深3mでの浸水実験の様子。奥が一般仕様の住宅で、2階バルコニーの下まで水に漬かっている。右が耐水害住宅で、1階高さの半分が水に漬かった状態で浮いている(写真:一条工務店)

 

 

 

水密仕様で浮かせる

浮いて洪水をやり過ごす耐水害住宅には、大きく 4種類の対策を施してある。浸水対策、水没対策、逆流対策、そして浮力対策です。

一条工務店の耐水害住宅の主な仕様。耐水害住宅には4つの対策を盛り込んだ(資料:一条工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

一条工務店の耐水害住宅の主な仕様。耐水害住宅には4つの対策を盛り込んだ(資料:一条工務店の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

 

 

外壁内部への浸水防止策としては、浮上時に水に漬かる約 1.7mの高さまでは、外壁を包み込むように透湿防水シートを施工。

 

 室外機や蓄電池、電気給湯機などの電気設備は水没対策として、浸水しない高さで建物に固定しました。
また、汚水の逆流対策として、床下の排水管に逆流防止弁を設けている。

 

 

 

 

浮力対策で基礎を 2層に分離

浮力対策としては、建物が浮き上がりやすいよう、ベタ基礎の下に透湿防水シートを設置。

 

まず、コンクリートで着地面となる基礎を構築。

その上に透湿防水シートを敷いて、通常のベタ基礎を施工。

 

こうすることで2層の基礎がスムーズに離れて建物が浮上します。

 

 

 

耐水害住宅の断面イメージ。1層目のコンクリート基礎と、その上にくる2層目の通常のベタ基礎の間に透湿防水シートを敷く。住宅の重量は約80トンで、水深約1.4mになると浮力が住宅の重量を上回り、浮き上がる。排水後に住宅が着地する際に数センチほどずれることを想定し、基礎は1層目の平面を2層目よりひと回り大きくしている(資料:一条工務店)

耐水害住宅の断面イメージ。1層目のコンクリート基礎と、その上にくる2層目の通常のベタ基礎の間に透湿防水シートを敷く。住宅の重量は約80トンで、水深約1.4mになると浮力が住宅の重量を上回り、浮き上がる。排水後に住宅が着地する際に数センチほどずれることを想定し、基礎は1層目の平面を2層目よりひと回り大きくしている(資料:一条工務店)

 

 

 

バランスよく浮くよう、設計時に構造計算で重心の偏りを確認しています。

浮いた住宅が流出しないように地盤とつなぎ留めるのが、四隅に設けた「係留装置」です。

 

建物とポールをワイヤでつなぎ、間に設置したバンパーで、浮上中も離隔を一定に保ちます。

水が引くと、建物はほぼ元の位置に着地します。

 

 

 

排水後の耐水害住宅。写真左の階段は住宅と一体で浮上していたため、2層の基礎の間に設置した透湿防水シートが一部剥がれて見えている。写真右の係留装置のポールには浮上時にリングが当たって付いた傷が見える(写真:日経アーキテクチュア)

排水後の耐水害住宅。写真左の階段は住宅と一体で浮上していたため、2層の基礎の間に設置した透湿防水シートが一部剥がれて見えている。写真右の係留装置のポールには浮上時にリングが当たって付いた傷が見える(写真:日経アーキテクチュア)

 

 

 

着地後に復旧しやすくする工夫も

基礎の間に漂流物が挟まった場合は、ジャッキアップして除去できるよう、基礎の外周にくぼみを設けた。

 

給排水管の接続部には動きに追従する部材を用い、住宅が浮上して上向きに力が掛かると引き抜ける仕様とした。復旧時は簡単に接続できる。

 

また、漂流物対策として、外壁を全面タイル張りとし、漂流物の衝突で破損しても部分補修で済むようにしました。

 

窓はトリプルガラスで、屋外側には強化ガラスを採用。

 

屋内側は合わせガラスとし、万が一割れてもガラスの破片が飛散しにくいように配慮している。

 

 

 

 

今後は既存住宅の水害対策も

耐水害住宅には公開実験で検証した浮上タイプのほかに、浮力に抵抗するスタンダードタイプがあります。

 

浸水対策などは同じですが、浮力対策に違いがあります。

 

スタンダードタイプでは、住宅が浮き始める想定浸水深の高さに注水口を設け、浮き上がる前に基礎内に水を入れて住宅の重量を増し、流出を防ぐ仕組みです。

 

耐水害住宅には 20年 9月 1日の発売から同年 10月中旬までに、全国で約 130件のオーダーがあり、そのうち 1割ほどが浮上タイプということです。

 

 

2020/11/09   日経クロステック

 

 

 

 

 

 

 

不動産取引に水害リスクの説明義務

豪雨ハザード、基準厳格化後4割未改定

武蔵小杉の水害、市民と川崎市が法廷闘争へ

 

 

 

ご質問・お問い合わせ・ご予約はこちら

   

まずはお気軽にご相談・ご質問・お問い合わせ下さい。
税金の申告・ご相談は資産税専門の弊社顧問税理士が
ご対応いたします。

Page Top

ご予約・ご質問・お問い合わせ

受付時間:9:00~18:00