NEWS

ブログ

ご予約・ご質問・お問い合わせ

06-6940-1155

06-6940-1155

  1. ブログ
  2. 株価高騰、資金は不動産に!?

2020/09/05

株価高騰、資金は不動産に!?

 

コロナ禍でお金がばらまかれ、行き場を求めた投資資金は株式市場に集まり、今週、コロナ前の高値の水準まで戻りました。

実体経済がコロナの影響で低迷する中、世界的な低金利による金余りは不動産に向かっています。

本日は清水千弘 日本大学教授の経済教室から抜粋してお伝え致します。

 

 

 

世界の大都市の不動産価格が高騰しています

不動産価格は理論的には将来収益の割引現在価値、つまりファンダメンタル(基礎的条件)価格として決定されます。

ですが、近年の日本の大都市では、金融緩和に伴う過剰資金が不動産市場に流入したことにより、ファンダメンタルズから大きくかい離していたことが、筆者らの研究で明らかになっています。

さらに筆者が所属する米マサチューセッツ工科大学(MIT)不動産研究センターが世界 350の主要都市の不動産価格指数を推計した結果、価格高騰は世界全体で発生しており、ニューヨークやパリ、ロンドン、シドニー、香港の高騰はとりわけ顕著です。

 

ベン・バーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長は、国内に投資機会が乏しい国の過剰貯蓄が先進国の資産市場に流れ込み過剰流動性を発生させているという仮説を提示しました。

これは、不動産価格の世界規模での高騰の背後にあるメカニズムを正しく理解しようとすると、金融緩和などの国内事情だけでなく国際的な資金の機能を解明する必要があることを意味します。

 

では、どのような国の資金がどこに流れ、どんなメカニズムを通じて資産価格を押し上げているのか。

世界 70カ国の不動産取引に関わるマイクロデータを用いた研究成果を紹介します。

 

図の左側に、2010年から 20年初頭までのパリ、ロンドン、シドニーでの不動産取引の「売り手」の国籍シェアを示した。

所有者の国籍に関係なく売却されると仮定すれば、売り手の国籍別比率は所有国籍比率に近似すると考えられ。

 

 

 

 

 

 

 

パリでは 56%の不動産の売り手がフランス国籍で、4割強が国外籍です。

ロンドンやシドニーでも約 3割の売り手は国外籍です。

パリの不動産市場で存在感が大きいのは米国、ドイツ、イタリア、スペインだ。ロンドンでは米国、アイルランド、ドイツの比率が高く、シドニーでは米国、中国の比率が高い。シドニーの住宅市場では「爆買い」とやゆされたように中国資本の存在感が大きいとされていますが、投資用不動産市場でのシェアは米国資本の約半分程度です。

 

 

 

 

国外投資家は2割高値で取引き

注目されるのは、国外の投資家は国内投資家の取引金額よりも平均で 20%程度高い価格で取引していたことです。

この結果は、本研究に先立ち実施された一橋大学の植杉威一郎教授と宮川大介准教授との共同研究とも整合的です。

 

この現象は「ホームカントリー・バイアス(ゆがみ)」と呼ばれています。

国外の市場で投資すると、当該国の投資家と比較して国外投資家は高い価格を提示しないと国内投資家との競争に勝てなかったり、情報が不足するため「高値づかみ」させられてしまったりすることが原因です。

 

このほか、国境を面しているか、共通の言語を使っているか、共通の国の支配下に置かれた植民地の歴史を有するか、自由貿易協定(FTA)が結ばれているかといった要因に加え、遡れば 18世紀に共通の航海ルートに含まれていたかといった要因が、両国間の投資額に影響を与えていました。

 

 

こうした事例にみられるように、国外に所在する不動産については、同じ国籍同士で取引される確率が高くなる「国籍バイアス」が存在しています。

そして同じ国籍同士の場合、価格を 7%程度上乗せして取引していることも分かりました。

同じ国籍同士だと共通の言語や取引慣行などの法制度を持つことで、相手に対する疑念が小さくなる安心料といったプレミアム(上乗せ)が存在すると考えられます。

 

 

 

東京は国外投資家率が低い

一方、東京の不動産市場をみると、83%が日本国籍同士で取引されており、国外資本は限定的です。

そのため不動産市場の国外資本比率の高い世界の他の大都市と比較して、価格上昇は相対的に小さくなりました。

東京で存在感が大きい国外資本は米国であり、地理的な近接性を持つ香港、中国、シンガポールがそれに続きます。

 

 

新型コロナウイルス感染拡大に伴う危機により世界規模で投資資金が減少し、不動産需要が低下することで、不動産価格の急落を招くのではないかとの指摘もあります。

しかし、運用責任を持つ年金などの投資が大きく減少するわけではありません。

また、不動産は生産活動や生活に欠かせない資源であるため、需要がなくなるわけでもありません。

不動産価格が急落するかどうかの鍵を握るのは、国際資金の動きです。

 

 

 

しみず・ちひろ 67年生まれ。東京大博士(環境学)

しみず・ちひろ 67年生まれ。東京大博士(環境学)。専門はビッグデータ解析、不動産経済学

 

 

 

08年のリーマン・ショックや 11年の欧州債務危機の際にも、国際資金が流出する国での不動産価格は急落する一方、流入した国では上昇していました。

今回のコロナ危機では、東京が国際資金の受け皿となる可能性があります。

香港を取り巻く一連の混乱後には、地理的な条件から東京がアジアの国際金融都市としての地位を確立する可能性があります。

東京には、長期にわたる都市開発により世界でも有数の高品質の不動産市場があり、背後には強い産業もあり

国外からの有能な人材を受け入れるとともに、国内では高度不動産金融人材を育成するなど、都市機能の充実を促進させなければなりません。

東京を中心とした大都市の国際競争力を強化することは急務であり、この機会を逃してはなりません。

 

 

2020/09/03   日経電子版

 

 

 

 

 

バブルと好景気の見極め

不動産と金利と金融機関

日本の不動産会社、債務バブル越え

 

 

 

ご質問・お問い合わせ・ご予約はこちら

   

まずはお気軽にご相談・ご質問・お問い合わせ下さい。
税金の申告・ご相談は資産税専門の弊社顧問税理士が
ご対応いたします。

Page Top

ご予約・ご質問・お問い合わせ

受付時間:9:00~18:00