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2020/08/03

損害保険料、ハザードマップに連動へ

 

損害保険⼤⼿が企業向けの保険で⽔害リスクに応じた地域別料⾦を導⼊します。

 

⾃治体のハザードマップに連動して保険料を変え、浸⽔リスクが低いと 2~3%安くし、⾼ければ 10%ほど値上げします。

 

昨今、多発する豪⾬災害リスクに対し、細かく保険料に反映する仕組みを取り⼊れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保険⾦⽀払いが2年連続1兆円超

⾃然災害への保険⾦の⽀払いは過去最⾼となった 2018年度から 2年続けて 1兆円を超えました。

 

地域別の保険料は契約先企業に災害への意識を⾼めてもらい、リスクの⾼い場所への⽴地を減らして保険⾦の⽀払いを抑える狙いがあります。

 

企業にとっては災害対策を考慮した⼯場や施設の建設・移転がより重要になります。

 

⽔害の多発で保険料の引き上げが続き、災害の少ない地域の契約者は⼀律値上げに不満もありました。

 

台⾵や⼤⾬による洪⽔や⼟砂崩れなどの補償は、⼀般的に⽕災保険とセットで付けます。

 

 

 

 

甚⼤な被害想定地域は10%の値上げに

損保⼤⼿は 21年 1⽉から、場所で保険料を変える仕組みを取り⼊れます。

東京海上⽇動⽕災保険は⽔害を補償する保険料を国⼟交通省のハザードマップの洪⽔データと連動させま す。

河川が氾濫した場合の浸⽔の深さの想定により、保険料率を  3段階に分割。

最もリスクの低い地域は保険料を約 2%下げ、契約の約 7割はこの分類に⼊ります。

 

⼀⽅、浸⽔の可能性が⾼い地域は約 2%の上げで全体の約 25%を占めます。

甚⼤な被害が想定される地域は上げ幅を 10%程度とします。

川の近くの低地などの契約のうち 5%強が当てはまります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハザードマップの改定が進まず

損害保険ジャパンは⾃治体の地形データなどをハザードマップと組み合わせ保険料率を計算。 昨年末から代理店がマップを確認し保険料に反映しています。

システム上で⾃動的に料率をはじき出せる仕組みにします。

 

ハザードマップは浸⽔予想などを地図で⽰すもので、15年の法改正で「千年に⼀度程度」の⼤⾬を想定す るよう基準が厳格化されました。

ただ、改定が進んでいない⾃治体が多く、⺠間が⼗分に活⽤できるようにするには改定作業を急ぐ必要が あります。

三井住友海上⽕災保険とあいおいニッセイ同和損害保険はハザードマップとの連動を⾒送り、当⾯は都道 府県ごとに差をつけます。

県別より細かく保険料を変えられるハザードマップとの連動は、⾃治体の改定の進み具合をみて検討しま す。

 

8県は9%の値上げ

2021年は東京など全契約のほぼ半数の⽔害部分の保険料を-3%の改定とし、25%は据え置きます。

2018 年度に豪⾬などの被害にあった岡⼭、広島、⿃取、島根、徳島、和歌⼭、岩⼿、新潟の 8県は 9%の値上げとなります。

各社の改定で、洪⽔などの影響を受けやすい⼯場を抱える中⼩企業の場合、企業が⽀払う保険料は年数千 円〜数万円増える⾒込みです。

 

損保各社は個⼈向けもハザードマップと連動する仕組みを検討、個⼈の住居選びなどにも影響 が広がる可能性があります。

 

 

2020/08/03 ⽇本経済新聞

 

 

 

 

 

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