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2020/04/01

贈与税の配偶者控除は「特別受益」?

2019年7月1日に特別受益に関する改正民法が施行されました。

配偶者居住権が本日4月1日から施行される この機会に、大変影響のある「特別受益」について見てみましょう。

 

 

 

特別受益、持戻し、とは

「特別受益」とは一部の相続人が  故人から受け取った特別な利益のことです。

一部の相続人だけが故人から多額の贈与を受けていた場合、そのことを考慮せずに遺産を分配すると他の相続人が不公平に感じかねません。そこで、一部の相続人が受けた贈与を特別受益として相続財産に含めて遺産を分配します。

このような不公平を是正し、各相続人間の公平を図るために、特別受益分を考慮した上で具体的相続分を計算することを「特別受益の持戻し」といいます(民法903条1項)。

例えば、遺産が1億円、相続人が子A、子B の2人で、子Bだけが生前に4,000万円を受け取っていたとすると、まず1億万円の遺産に子Bが受け取った4,000万円を「持戻し」、1億円+4,000万円=1億4,000万円が遺産としたうえで、子2人へ分配(各法定相続割合2分の1)、1人7,000万円を受け取ることになります。

特別受益を控除した後の具体的相続分としては、子Aは7,000万円、子Bは3,000万円(生前に4,000万円受け取っているので、トータルで7,000万円)となります。

なお、持ち戻しは計算上のことで、贈与された財産そのものを返すわけではありません。

 

 

 

特別受益の持戻し免除の意思表示とは

被相続人が「持戻しを希望しません」という意思表示をした場合に、持戻しを考慮しないで相続財産を計算することをいいます(民法903条3項)。

持戻し免除の意思表示の方法に決まった方式はありませんが、「言った」「言わない」の争いを避けるためにも、被相続人が遺言に「持戻しはしない」と記載しておくと、他の相続人はそれに従う必要があります。

つまり、他の相続人は「Aは多額の贈与(特別受益)を受け取っているから、相続分を減らそう」といった主張ができなくなります。

しかし、遺留分の侵害がある場合は損害額の請求をすることが出来ます。

 

 

 

配偶者に対する持戻し免除の意思表示の推定規定とは

今回の法改正で民法903条に次のような規定が加えられます。

「婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第1項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。」

今回の法改正がされる前は、長年夫婦で居住していた自宅について、夫が妻に自宅を生前贈与した場合においても、遺言で特別受益の持戻しの免除の意思表示をしていない限りは、自宅の生前贈与が特別受益として取り扱われていました(現行の民法903条3項)。

今回の法改正において、結婚20年以上の配偶者に対する自宅の生前贈与については、特別受益の持戻し免除が推定されるとして、特別受益の取扱いを受けなくなりました。(改正民法903条4項)

そのため、妻は、夫から自宅の生前贈与を受けたとしても、特別受益として遺産分割のときに取得できる遺産がその分減ってしまうという不利益を受けなくなるという点で、配偶者の保護の拡大が図られました。

特別受益の持戻し免除の意思表示の推定規定は、2019年7月1日より施行されます。

 

 

 

 

 

 

生前贈与について持戻す期間を相続開始前の10年間に限定

今回の法改正がされる前は、遺留分の基礎財産に含める贈与の期間制限はなく、時期を問わず遺留分算定の基礎となる財産の価格に含めるとされていました。(現行の民法1029条)

つまり、相続人に対する特別受益に該当する贈与は、相続開始の何年前になされたものであっても、基本的に遺留分算定の基礎となる財産に含めます。

これに対し、今回の改正法では、相続人に対する贈与は、相続開始前の10年間にされたものに限り遺留分の基礎財産に含めることとなりました。(改正民法1043条)

これにより、相続人に対し、相続開始より10年以上前に贈与された財産は、遺留分を算定するための財産の価額に含まれないことになります。

 

 

 

相続税・贈与税に精通した税理士に相談し、対策漏れがないよう準備しましょう。

 

 

 

遺留分侵害額の算定

相続開始後、相続人の 1人による財産使い込み

 

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