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2019/11/23

路線価での相続財産評価は不適切

「路線価に基づく相続財産の評価は不適切」とした東京地裁判決が波紋を広げています。

国税庁は路線価などを相続税の算定基準としていますが、「路線価の約4倍」とする国税当局の主張を裁判所が認めたからです。路線価は取引価格の約8割のため節税策として不動産を購入する人も多数います。ですが、相続税の基準となる路線価と、取引価格に大きな差があれば注意が必要です。

 

 

 

路線価での財産評価を「不適切」と地裁判断

8月末の判決で東京地裁が路線価に基づく相続財産の評価を「不適切」としたのは、2012年6月に 94歳で亡くなった男性が購入していた東京都内と川崎市内のマンション計2棟。

購入から 2年半~3年半で男性が死亡し、子らの相続人は路線価などから2棟の財産を「約 3億 3千万円」と評価。銀行などからの借り入れもあったため、相続税額を「ゼロ」として国税側に申告しました。

ですが、男性が購入した価格は2棟で計 13億 8,700万円で、路線価の約 4倍でした。国税当局の不動産鑑定では2棟の評価は約 12億 7,300万円で、路線価とはかけ離れていました。

 

 

 

 

 

 

法律では「時価」、国税庁は「路線価」を算定基準

このため国税側は「路線価による評価は適当ではない」と判断。不動産鑑定の価格を基に「相続税の申告漏れにあたる」と指摘し、相続人全体に計約 3億円の追徴課税処分をおこないましたが、相続人らは取り消しを求めて提訴していました。

土地や家などの相続財産は「時価」で評価すると法律で決められています。

しかし、国税庁は「納税者が時価を把握することは容易ではない」として主要道路に面する土地について「路線価」を毎年発表し「相続税や贈与税の算定基準」としています。

路線価は土地取引の目安となる公示地価の約 8割。このため現金よりも不動産を購入して相続した方が税金が安くなる傾向があり、”節税” 目的での不動産取得は広く行われています。

 

 

 

財産評価基本通達の6項を適用

今回の判決では「特別の事情がある場合には路線価以外の合理的な方法で評価することが許される」と指摘。今回は「近い将来に発生することが予想される相続で、相続税の負担を減らしたり、免れさせたりする取引であることを期待して実行した」と認定し、国税の主張する不動産鑑定の価格が妥当と判断しました。

原告の相続人らは不服として控訴しています。

今回、国税当局は国税庁長官の指示で財産の評価を見直すことができる通達の規定(財産評価基本通達の6項)を適用して価格を見直しています。相続税の算定基準を路線価とする根拠でもある通達です。

通達は国税当局の判断で財産の評価を変えられるため「国税の伝家の宝刀」とも呼ばれています。ですが、どんな場合に宝刀が抜かれるのか明確な基準はなく、判決に困惑する税理士も少なくありません。

相続税の課税対象は 2014年は 4.4%にとどまっていたが、2015年 1月から対象が拡大された。17年に亡くなった人では 8.3%とほぼ倍増しており、相続財産の評価が求められる機会が増えています。

 

 

2019/11/18  日本経済新聞

 

 

 

 

相続税評価とは

平成最期の地価公示発表

阪神間の路線価とタワマン抑制

 

 

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