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2019/11/22

所有者不明不動産、一部所有者で売却可に

国土交通省と法務省は所有者の全容が分からない土地について、一部の所有者によって売却や賃貸ができる仕組みをつくります。

所有者の所在が分からない「所有者不明土地」を対象とし、売却などの手続きを柔軟にすることで企業や近隣の住民が土地を取得しやすくし、2040年には北海道の面積に匹敵するとされる所有者不明の土地の活用を進めます。

 

 

現状は所有者全員の同意で売却

土地の売却は所有者全員の承諾をもとに進めることが民法で定められています。

例えば土地の所有者だった父が亡くなり、母と2人の子どもが相続した場合、現状では3人全員が認めない限り売却はできません。一方で、自分の持ち分だけであれば売却することは可能ですが、土地の一部にとどまるため買い手が付きづらいという事情があります。

 

 

 

 

 

相続などにより所有者が不明に

相続時に登記の変更を忘れるなどの理由で、所有者がどこにいるか分からない土地は全国に広がっています。所有者不明土地問題研究会によると2016年時点で九州本島に相当。相続の末に約700人の共有となった土地で一部の所有者の所在が分からず、公共事業が滞るといった事例もあります。

国交省と法務省は所有者が見つからない土地の活用を進めるため、住所や連絡先が分かる一部の所有者によって、土地の売却や賃貸ができる仕組みをつくります。2020年の通常国会に関連法改正案の提出を目指します。

売却の場合は共有者が不明所有者の持ち分について金銭を法務局に供託することで土地を取得し、共有関係を解消できるようにします。土地の賃貸や盛り土などの整備については、不明となっている人以外の残りの所有者の承諾で可能にします。

 

 

 

行政機関への調査、親族への聞き取りを条件

手続きにあたっては登記簿や固定資産課税台帳などの調査や行政機関、親族らへの聞き取りといった不明者を突き止めるための探索をすることを条件とします。他の所有者が異議を申し立てることができるように、公告をすることも前提となります。

18年に成立した所有者不明土地法では所有者が分からない土地について、登記事項証明書の交付請求や親族、行政機関への情報提供の要請といった調査をしても所有者を確定できなかった土地と定義しました。この定義に基づくような調査をしても所有者が見つからない土地は、新たな仕組みで売却や賃貸ができる可能性が出てきます。

所有者不明の土地は地方の山林が多く、宅地も少なくありません。国交省によると、土地の境界を調べる「地籍調査」で17年度に対象となった都市部の約8万カ所のうち、16%は登記簿では所有者の所在が確認出来ませんでした。。

所有者が分からない土地の活用は、公園や広場といった公共施設にほぼ限られています。例えば庭を広げるために近隣の土地を買ったり、マンション開発のために土地を購入しようとしたりしても、所有者全員を見つけるために膨大な時間と労力がかかるためです。

国交省は危険物の放置や悪臭など周辺に悪影響が及びかねない場合は土地所有者の所有権を制限し、危険物を除去しやすくする制度改正も予定しています。

 

2019/11/18   日本経済新聞

 

 

所有者の一部の人が売却できるようになるのは土地の有効活用という点では良いのでしょうが、売却代金に対する課税をどうするのか、同意していない人にも納税義務は発生するのか、といったトラブルの芽も生まれてしまいそうです。

人口増加を前提とした日本の登記制度も大改革を迫られています。義務ではなかった【登記】について罰則も含めた登記義務化が実現するのか、要注目です。

 

 

 

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