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2019/05/08

患者は情報に溺れている

本日は、精神科医療での経験を経て、約16年前から国立がん研究センター東病院の「サポーティブケアセンター/がん相談支援センター」でがん相談統括専門職を務める 坂本はと恵さん(認定医療社会福祉士)のお話しです。

 

 

 

多くの患者は情報に溺れている

時期を逃すと利用できない制度もあるため 「解決の方策をちゃんともっていますか」 「困っていたら手伝いますよ」 という声かけは、早い段階でする必要があると坂本氏さんは言います。「昔なら、親せきにお節介なおばちゃんがいて、いろいろ調べてくれたりしたと思いますが、今はそういう人間関係が希薄な時代です。医療者が “おせっかい” にならなければ」とも話します。

インターネットの普及で情報の多さのあまり、混乱する患者さんも多いといいます。そして、情報に溺れている人は迷路に入り込んだような状態で、医師や家族をはじめ、他者とのコミュニケーションがうまくとれなくなっていると坂本さんは話します。 「まずは言葉の解釈が分からない場合もあるので、そこから一緒に情報整理をしていきます。道先案内人のようなイメージです」。

国立がん研究センター東病院には最先端の治験・治療を求め、全国から患者が訪れます。特に病院がテレビ等で紹介されると、その反響はかなり大きい。例えば、同ケアセンター室長で呼吸器内科長の後藤功一さんが研究代表者としてリードする「SCRUM-Japan」※というプロジェクトがあります。日本のがん患者において遺伝子異常に合った治療薬や診断薬の開発を目指すプロジェクトです。このプロジェクトがテレビで紹介された翌日には、病院への問い合わせが相次ぎ、サポーティブケアセンターだけでも100本以上の電話を受けたとのこと。

最先端の治療法に患者の関心や期待が高まる一方で、限られた情報をもとにした患者の認識と、事実との間に乖離が生じている場合も少なくない。「最近では、光免疫療法が一部で報道されたときに、針灸で行うような温熱療法でどんな “がん”にも効果があると勘違いされた患者さんが多かったといいます。実際には、頭頚部の扁平上皮がんの治験であり、部位や対象となる方が限られていること、もう少し身体に負荷のかかる治療法であると知って落胆される方も少なくありませんでした」と坂本さん。

同センターでは、患者に対して治療法を具体的に解説できるよう、一般的に伝えられる情報はどこまでなのか、どこからは患者の個々のケースを診なければと判断できないのか、その線引きについて予め医師に確認をとっています。こうした日ごろからの連携がなければ、個別に詳細な対応をとることは難しいとのこと。

 

国立がん研究センター 東病院

 

 

決められない患者に必要なサポートは?

そして、もう一つ患者に対するサポートが重要な局面がある。それは患者が治療方針に関する決断を迫れた時。AとBの治療法を提示し、それぞれについて十分に説明を果たしても決められない患者もいます。それは単に判断材料が不足しているという話ではなく、医療者側が患者の内面にもっと目を向けることが大切だと坂本さんは話します。

「例えば、患者さんご本人がなかなか決められない、どうやって決めればよいか分からないということはよくあります。そんなときには『~さん、思い返してみて。今までもいろんなことを決断してきているはず。今までは、大事なことを決めるときに、どうやって決めてきましたか?』 と問いかけます。そうすると、おのずと昔の話が出てきて、成育歴にも話が及ぶこともあります」。

本人が決めることが難しい病態の場合は、家族が代理決定しなければなりません。しかし「勝手に決められない」と悩む家族も多い。そんなときも「家族として、いつもどんな風に物事を決めてきましたか」と尋ねると、「あの時、あんなことがあったけど、お父さんはこうやって決めていた」と会話が進むという。

過去に意識を向けることで、あえて目の前の闘病から視点を外す。その患者さんが、どのように生きてきたのか、いろいろなことを決断しながら歩んできた本来の自分が持つ力、その人らしさを思い出してほしいのです。

「医療従事者は人に興味を持ってほしい・・・と言うと唐突かもしれませんが、すごく大事なことだと思うんです。『その人を知る』ということの重要性は、医療従事者であれば、どの職種においても共通して言えることだと思います」と坂本さんは話します。

しかし、プライバシーを過度に意識する時代背景もあるのか、他者に関心を持ち、相手の態度や発言から人を理解しようと想像力をはたらかせる力が弱い人が増えていると坂本さんは指摘します。相談支援に携わるスタッフの教育は、がん対策情報センターやソーシャルワーカーの職能団体などが注力しているが、「これは教育やトレーニングだけでは補えないものかもしれません。医療従事者として、対人援助を行う人たちの資質として、今後どういった教育を提供すればよいのかというのは非常に悩ましい部分です」と坂本さんは話します。

 

就労支援などの制度改善を

坂本さん自身も、着任した10年ほど前は、がんについて正しい情報を求める患者の声に、医師が作成したガイドラインを片手に応じるので精いっぱいだったと振り返ります。がん対策基本法が成立し、がん対策情報センターにより リーフレット等が整備されるなど、情報提供の環境がようやく整ってきました。その次の段階として、就労支援など制度面の改善について本腰を入れる時期にきている。

医療技術の進歩により、がん患者が長く存命できるようになってきたからこそ、就労面、精神面から生涯支援を行う重要性もますます高まっています。当事者団体の活動などを通じて、多くのがんサバイバーが実体験をもとに声をあげてきているが、制度を構築していくには、当事者の声とともに、エビデンスも不可欠だ。発信力を高め、そこに向けた取り組みを強化していくことが今後の課題だと坂本さんは語りました。

 

※「SCRUM-Japan」は、2013年に開始した希少肺がんの遺伝子スクリーニングネットワークと、2014年に開始した大腸がんの遺伝子スクリーニングネットワークを統合してできた、日本初の産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクト。大規模な遺伝子異常のスクリーニングにより、希少頻度の遺伝子異常をもつがん患者を見つけ出し、遺伝子解析の結果に基づいた有効な治療薬を届けることなどを目的としている。

 

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